1950年代ボーエ・モーエンセンのデザインによるC. M. Madsen for FDB Mobler製キャビネット「1503」。

これまでの数十年を労いこれからまた数十年大切にしてもらえるようレストアを行う。モーエンセンが残した多くの簡素なデザインはデンマーク国民に受け入れられ、半世紀の時を経てこの店にたどり着き、丁寧なレストアにより修復され次の家へと受け継がれてゆく。モーエンセンは自身が家具をデザインした時、半世紀経ってもそれらの家具が使われ続けることを想像していたのだろうか。彼の思考を探りながら改めてレストアラーとして過去と未来の繋ぎ手を担えることに喜びを感じます。
素晴らしい家具を残してくれてありがとう、モーエンセン。あなたのデザインした家具がまた一つ蘇りましたよ。

こちらのキャビネットもモーエンセンらしいとても簡素なデザイン。50年代の発売当時脚タイプ、台輪タイプや重ねたりと複数のサイズや仕様があり、使う環境によって組み合わせができるものでした。生活環境のあらゆるものを計測し、使い勝手とデザインの両立を目指したモーエンセン。この一台にはそんな彼の想いが詰まっています。本体はチーク材、脚部に明るいオーク材を用いることでしっかりとした主張を持ちながらも量感を軽減。サイズの割りに重たさを感じさせません。鍵を回し扉を開けると内部は棚板2枚、浅いトレイ3枚、深いトレイ1枚があり、全て可動式。一般的な棚板とは異なり、全てスライドさせることができるので奥のものが取り出しやすいつくりになっています。ダイニングでお皿やグラス、カトラリーなどを収めたり、リビングで日用雑貨を収めても良いでしょう。いずれも沢山のものを収納できるので空間をすっきりさせることができます。

木部はサンディング後オイル、WAXにて仕上げていますので、長い年月を経たチーク材・オーク材の魅力を最大限に引き出しております。

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