1962年アルネ・ヤコブセンのデザインによるFritz Hansen製イージーチェア「4355」。

イギリス・オクスフォードにあるセント・キャサリン・カレッジのためにデザインされた通称セント・キャサリンチェア。
低重心でありながら背中の骨格に合わせ角度をつけられたハイバックの背もたれが快適な座り心地を物語っている。実際に腰掛けてみると適度な反発と弾力のある背と座に体が吸い付くような感覚を得られる。木部は20枚ほどのシート状の板を貼り合わせた曲木でできている。これは木材に必要以上に無理な力を与えることなく美しく成形できる特徴がありヤコブセンが多くのチェアに取り入れた技法でもある。前脚はアームへ、後脚はシートを支える土台へとなり、複雑な構造でありながらシンプルな見た目へと昇華させていることが伺える。そのフレームの断面には溝が彫り込まれ直線と曲線の美しさをより際立たせている。

木部はサンディング後オイル、WAXにて仕上げていますので、長い年月を経たビーチ材の魅力を最大限に引き出しております。ウレタン交換後ケアロップヴァヴェリ社のブルーグレーのファブリックに張り替えました。

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